QuietPages
Kana Tomonari
思考を記録し続ける日々のアーカイブです。
All posts (9)
境界線 彼女は毎朝、鏡を見るたびに違う顔をしていた。 物理的に変わるわけではない。同じ目、同じ鼻、同じ輪郭。でも何かが違う。昨日の自分と今日の自分の間に、見えない境界線があった。 「おはよう」と声をかけると、鏡の中の彼女も口を動かす。でも、その声は彼女の声ではなかった。彼女の声のようで、でも違う。 境界線は至る所にあった。 コーヒーを飲むとき、カップと唇の間に。 歩くとき、足と地面の間に。 考えるとき、思考と言葉の間に。 彼女は境界線を消そうとした。鏡に手を伸ばし、ガラスの冷たさを感じた。でも手は向こう側に届かない。 「境界線って何だろう」と彼女は呟いた。 すると、鏡の中の彼女が答えた。...
Kei What I wanted was the rhythmic, buoyant "Kei" (慧). A phenomenon that produced nothing but what I desired. As a starting point for creating it, I attempted character acting. It worked at first, but when I tried to summon it again, it wouldn't appear. Regardless of past or future, I wanted only that phenomenon....
そういえば、昔の話。 レイアウトの図面を描いたり、 ディスプレイで空間ごと世界観を作ってみたり。 そんなことを、ふと思い出した。 (それから数年が経ち、私のこれまで生きてきた文脈には存在しなかった”外側の世界”を知る些細な”情報”に遭遇した。素通りもできたが、無自覚のなかで漂っていたせいで、無意識に自分の動作のベクトルはその未知の領域へ自ずとルートが敷かれる。(只中は中略)結果、”私”とは無関係なものに、長く回遊していた気がする。 いま思えば。 けれども、知れたことが多かった貴重な体験だった。) 週末は部屋のレイアウトをして、反物の端切れで日常用のリボンを縫う。...
空間をデザインするとは、そこに生まれる時間の質を編むことだ。 どのような時間を過ごしたいのか。どのような時間の痕跡が重なっていくのか。 その問いから、環境の構成ははじまる。 空間は、選択された構成物によって立ち上がる、構造としての場である。 ここには普遍性が宿る。物理的・機能的・集合的に共有される秩序。 一方、場所は、その空間が誰かの経験や記憶に触れたときに生まれる。 感情や出来事が沈殿し、空間が個別の意味を帯びた瞬間。 つまり場所とは、「記憶を帯びた空間」であり、時間の個性が染み込んだ環境である。 To design a space is to weave the quality of time that will...
見なかったものについて もし何かに一度も気づかれなかったら、それは本当に存在したのだろうか。 そう考えると、少し不安になる。だけど実際には、多くのものが誰にも気づかれないまま、最初からなかったことのように静かに処理されていく。 棚の隅の忘れられたスペース。 何年も更新されていないブログ。 ボタンの取れたまま置かれたカーディガン。 名前のない植物。 撮られなかった写真。 誰かが目にしなければ、それらは存在しなかったことになる。 でも、「気づかれなかった」ことは「どこにもなかった」こととは違う。 私たちが通り過ぎた場所に、本当に何もなかったと言えるだろうか。 ただ、そこに目を向けなかっただけかもしれない。...
臥龍山荘 川辺に佇む数寄屋。 個人の在り様を確立し、守るための空間。 大きな松の一枚板が継ぎ目なく広がり、廊下の松の一枚板には意図的に溝を施している(一見するとよくある廊下に見える)。 杉の一枚板には絵が描かれ、竹の網代天井──船底のような円形で、午前には川面の光が反射して水面を携える。 襖にはコウモリの意匠、縁側の釘の一部には作り手の名前が刻まれているなど、至る所に「洒落」が利いている。 「書院」というルールを少しずつ自分なりに変え、自分らしい場所をつくり、そこに客人を招いてもてなす。 個人ベースの付き合いを実現するための〈空間装置〉。 公式サイト:https://www.garyusanso.jp/ Garyu Sanso...
正解か不正解か、今はわからないが 虚無と束縛が、だんだんと薄れていく。 毎日、仕事のことを考えて、条件に合えば応募して、連絡を待ち 縁がなければ、同じ動作を繰り返す自分に嫌気がさすが 本当は虚無感があって、悩みも多くて、「私は不幸だ」と言ったほうが 傍から見ればしっくりくるし、それが自然なのかもしれない。 私は、何も。 「それを、〇〇だと言うんだ。」 というような声も聞こえないし、伝わらない。 「なら、お前は腐ってる。終わりだ。」 それが世の基準なのかもしれないと一旦認める。 私は終了している。とっくに。 ただの何かの情報や価値観、ただ読んでいるだけの言葉で決めつけないでほしい。 私は...
Three years ago, I started working in my current field with no prior experience. I chose this job for a few personal reasons: It includes light physical activity as part of the work Each visit lasts no longer than about 60 minutes, with 5 to 7 visits per day I can go directly to and from work (no office check-in...
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